美味しいものは心の栄養‥‥。
主婦ひめが日々の食事とその周りを綴る食日記。
2003.08.12〜

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12.07.Sun.
サイトに料理写真を載せておいて、こう言うのはどうかと思うが、
わたしは盛り付けがあまり得意ではない。
料理教室やプロのお店で修行したことがないので、
盛り付けの基礎がなっていないからかもしれないし、
凝った盛り付けがあまり好きではないからかもしれない。
型抜きしたり、ソースをしゅーっと線を描くように垂らす
なんていう技は、家庭料理では必要でないと思っている。
ただし、何でもごちゃっと山盛りにすればいいわけではない。
なるべく美味しそうに見えるように、丁寧に、
心を静めて盛り付けようと心がけている。

でも、毎日毎度、そうも言っていられないこともある。
例えば今夜。
和風ステーキだったのだが、どうにもカラダがだるくて
作っただけで力尽きてしまい、盛り付けまで気合が入らなかった。
付け合せに、いんげんをソテーし、安納黄金芋(あんのうこがねいも)
をアルミ箔で包んで蒸し焼きにした。
色取りはまあまあだ。
盛り付けはどうしよう、と考えているうちに面倒になってしまった。
ええいっと、二人前をどさっとワンプレートに押し込んだ。

キッチンのよどんだ空気は、リビングにも伝わるものらしい。
「手伝おうか」と夫が入ってきた。
「そこのお鍋に蒸し煮があるから、お皿に盛るのをお願い」
それだけ言って、わたしは一足先に食卓に着いた。
運ばれてきたお皿を見て驚いた。
かぶとブロッコリーが、白くて細長いオードブル皿に、
ぽつぽつぽつと整然と、かつ可愛らしく並べられていたのだ。
「あらあ、カワイイ!こんなふうにするなんて思ってもなかったわ」
「だって、せっかくステーキだから、
 これもキレイに盛り付けた方がいいかなと思って」
清楚に着飾ったお皿が一枚加わったおかげで、
食卓は華やかになり、わたしのよどんだ空気は一掃された。

「ほんとにびっくりした。すごいすごい。才能あるかも〜」
しっかり賞賛しておいた。
というのも、もちろんこれは心からの言葉なのだけど、
コレは使えるゾ、とちょっぴり下心もあったのだ。
夫サマ、これからはぜひ盛り付けお手伝い、お願いシマス!




☆今夜のお献立
和風ステーキ(付け合せ;いんげん、安納黄金芋)、
かぶとブロッコリーの蒸し煮、なめことお豆腐のお味噌汁、
ぬか漬けおたくあん、赤かぶのお漬物(市販品)、白米、柿。


12.06.Sat.
友人が遊びに来た。
独身の彼のために、心づくしのごはんをいろいろ並べようと
思っていたのだけれど、彼が来る直前まで
ベッドで倒れていたので、お鍋だけになってしまった。
それでもみんなでつつけば、楽しくて美味しい満足な時間になる。
お鍋は主婦の心強い味方である。

今日のお鍋はいわしつみれ鍋
お野菜をざくざく刻んで、いわしをビィーンと
フードプロセッサーにかける。
ぎゅっと身が詰まったつみれも悪くないけれど、
わたしはどちらかといえば、ふんわり系のつみれが好みだ。
なので、おねぎや生姜、お味噌などの他に、はんぺんを入れた。
味見するため、ティースプーンにすくって煮立ったお湯に浮かべる。
と、そこへ夫がキッチンにビールを取りに来た。
ちょっとあーんして、とミニつみれを口に差し入れる。
「どう?まあまあ?」
「うーん、もう少し硬くてもいいかなぁ。あとまだちょっと魚臭い」
あ、やっぱり、、、。
つみれを作るのは久しぶりなので、どうも味が決まらないのだ。
片栗粉を足して硬さを出し、臭みを消すためにほんの少量、
カレーパウダーを入れた。
再び味見をすると、よしよしなかなかいい具合。
ようやく味が決まったところで、お鍋を食卓へ運んだ。

「今日はね、いわしのつみれ鍋よ」
「嬉しいなあ。今では高級魚らしいよね。最近食べてないな」
ずいぶん長いこと、いわしのつみれ鍋を食べていないという友人は、
期待と好奇心の入り混じった顔で、お鍋を覗き込んだ。
夫は、もうはらぺこで待てません、といそいそと
食卓ガスコンロの火をつけた。
「そういえば、つみれはウチでもずっと登場しなかったなぁ」
「あすかちゃんにハマッていた頃はよく作ったわねぇ」
「イワシが高級になったら、あすかちゃんはきっと困るよね」
「アジで作るんじゃないの」
「ふーん、つみれはイワシじゃなくてもいいのか」
夫とわたしのやりとりを聞いていた友人は、目を白黒させた。
「あのー、話が見えないんだけど。『あすかちゃん』って誰?」
「『ぽっかぽか』っていう漫画に出てくる女の子でね、、、」

『ぽっかぽか』(深美じゅん作)は家族3人の成長を描いた
ほのぼのするお話で、かなりの名作である。
七瀬なつみ主演で、お昼の連続ドラマにもなった。
物語の田所家の麻美は家計をやりくりするために、毎日のように
安いいわし料理を作っている。
おかげで、子供のあすかはいわしが大好き、という設定なのだ。
あすかちゃんがいわしのつみれ団子のお手伝いをするシーンが
何度も出てきて、これがとてもかわいかった。
夫もわたしも『ぽっかぽか』を愛読していたので、
いわしのつみれといえば『あすかちゃん』を連想するのである。
『ぽっかぽか』を知らない友人は、説明を聞いても
あまりピンとこないようだったが、ともかくこの10年くらいの間に、
あの話が通じなくなるような事態になってしまったのだ。
いわしは、もう庶民のところへは戻ってこないのだろうか。

「『ぽっかぽか』はゼッタイ読んだ方がいい!」
つみれを頬張る友人に、わたしたちは口を揃えて言った。





今回のいわしは、開きになって頭も落として
フィレになっているものを使った。

いわし、長ねぎ、生姜、はんぺん、卵白、
お味噌、お醤油、お酒、片栗粉、カレー粉少々を
フードプロセッサーにかける。
いわしは骨ごと食べちゃうので、カルシウムもばっちり。
お鍋は昆布だしで。タレはポン酢で。

アツアツはふはふ。しみしみウマウマ。






デザートは、お土産の「成城アルプス」のスイートポテト。
新品のオーガニックコットンの毛布のように、
ほっくりなめらか。
底の方に、洋梨が隠れている。

ここのシュークリームもとても美味しいです。
古くから愛されている、正統派の人気洋菓子店。


◆成城アルプス / 季節限定スイートポテト
東京都世田谷区成城6-8-1
03-3482-2807 (火曜定休)


12.05.Fri.
わたしはブロッコリーが大好き。
アスパラガスと小ぶりのトマトを除けば、
ブロッコリーくらいキュートなお野菜は、無いかもしれない。

第一に、モコモコと森のような姿は、活けたくなるような愛らしさ。
第二に、アクがなくて、甘くて美味しい。
カリフラワーのように生で食べられるのか、試したことは無いけれど、
硬めに茹でる(or蒸す)とコリッとした食感が美味しいし、
くたくたに軟らかく茹でても、それはそれで甘味が増して美味しい。
第三に、どこもかしこも食べられる。
モコモコの部分は花芽なのだが、茎も花芽も葉っぱも
(硬いところは食べられないけれど)、ほとんど全部食べられる。
これはかなり立派なことではないだろうか。

けれども、初めてブロッコリーが畑に生えているのを見たときは、
ちょっとした衝撃だった。
それまで、ブロッコリーはきっとこう生えているにちがいない、
なんて具体的な想像はしたことがなかったのだが、
実際に生えているその様子は、わたしの無かった想像を
ぴょんと飛び越えてしまうものだったのだ。
どんよりとした寒空の下、大きくて硬そうな外葉を
大蛇のように波打たせて、その中心に、
むっくりと暗緑色の赤ちゃんの頭のようなものがちらちらした。
「あれは何?」
わたしの指差す方を見て、母は
「あら、ブロッコリーね。おいしそうねぇ」
と、どうってことない口調で興味無さそうに言った。
お店にいるキミはそんな姿じゃなかったのに。
お弁当に入っているキミはあんなに可愛かったのに。
少々大げさにいえば、裏切られたような気分だった。

その後、わたしもオトナになり、多少のことではどぎまぎしなくなった。
ブロッコリーの畑を見ても、
「トウが立たないうちに収穫してもらいなさいよ」と思うくらい、
主婦らしくなった。
ブロッコリーは大好きだから、よく買うし、
大地宅配に入ってくると嬉しい。
お届けの箱を開けて、キュートなキミがいれば、キスしたくなるくらい。
でも、畑からそのままやってきたような大株のキミに会うと、
わたしは今でもちょっとドキッとする。
コワイのではなくて、立派過ぎて。
オトナだからそう言っておこう。


☆今夜のお献立
ブロッコリーのカルボナーラ風パスタ、白菜のコーンクリームスープ。
柿とおりんご。


>>>>>>>>>>>>>>
ブロッコリーのカルボナーラ風パスタの作り方;

1)にんにく、玉ねぎ、ブロッコリー(小房に分ける。軸も使う)を
フライパンで炒める。
少量のお水を加えて蒸し煮にし、フォークでブロッコリーを荒くつぶす。

2)1のフライパンにウインナーを加える。

3)パスタを茹でる。

4)フライパンに牛乳少々、パスタの茹で汁少々を加えソースにし、
茹で上がったパスタを入れて混ぜ合わせる。

5)火を止めて、卵(人数分の全卵+卵黄1個)、パルメサンチーズを
加えて混ぜ合わせ、塩コショウで味を調える。


11.30.Sun.〜 12.04.Thu.  
お風邪は治った。
が、長引いたお風邪と寒さで、すっかり体調が崩れてしまった。
一日のうち、ゆうに半分以上、どうかすると2/3以上の時間を
ベッドで過ごしている。
まったくもって、サエナイ日々だ。

いつもいつも日記に「体調不良」と書いているようで、
読んでくださる方に申し訳ないなぁ、と思う。
病人日記なんて、つまらないものね。
ちょっとだけ言い訳すると、不摂生でこうなっているのではなく、
難病を抱えていて、自宅でちんまり闘病生活というか、
病気と共存生活をしているわけなのです。

病気になって得たもの、見えてきたものは、たくさんある。
でも「病気になってヨカッタ」などと、
負け惜しみのようなことを言うつもりはない。
ただし、「病気になってトクした」ことはある。
例えば、あまり外出できないわたしのために、家族や友人たちが
ちょこちょこと素敵なプレゼントをしてくれる。

モノをいただくのももちろん嬉しいけれど、
そのモノが運んでくる、外の空気に触れるのが楽しくて、
ワクワクする。
行ったことの無い街や流行のお店、遠い海や山、異国の地、、、。
他人のフィルターを通しての追体験は、おそらく
現実よりも美しく、そしてはるかに自由な宇宙だ。

実際に見たり聞いたり匂いをかいだり味を確かめたりするのは、
とてつもなく刺激的で楽しい。
それは間違いないけれど、他人の時間のかけらを集めるのも
とても素敵なことなのだ。
南国のお塩をなめたり、映画に出てくるチョコレートをかじったり、
オシャレなスパイスブーケでホットワインを作ってみたり、
USAのポップな洗濯ピンチを使ってみたり、
珍しい新種のヒヤシンスを水栽培したり、、、エトセトラエトセトラ。
もしかすると、自分で歩き回ってさがすよりも、
ずっと多くの時間のかけらを集めているのかもしれない。

今週は、母が上野の美術展に行ったお土産に、
かなりありがたいおまんじゅうと、
季節限定の栗蒸し羊羹を買ってきてくれた。
何がありがたいって、地域限定販売ということもそうだけれど、
1個500円もするお饅頭なのだ。
きっと、いやゼッタイ、自分で買うことはないだろうから、
ふふふ、これは「病気でトクしたこと」に入るだろう。
サエナイ日々というのは訂正。
イイコトはちゃあんとあったのだ。

肝心のおまんじゅうは、それらしくずっしりと美味しかった。
のだが、500円もする美味しさだったのかどうか、
正直よくわからなかった。






握りこぶしほどもある大きな薯蕷饅頭。
ずっしり堂々としていて、
1/4切れでも満足する。

皮はしっとりもっちり、
餡は外側が備中白小豆、中が小倉で、手が込んでいる。
ぎっしりつまった小倉あんの美味しさが際立っていた。


◆鶴屋吉信 / 光悦満雲寿(こうえつまんじゅう)
1個500円。東京地域限定発売。

鶴屋吉信>商品紹介>「お祝いに」のページ(左フレームから選ぶ)



11.30.Sun. 
☆今夜のお献立

さつま揚げの網焼き、いか一夜干し、はんぺんの醤油焼き、
お野菜の蒸し煮(深谷ねぎ、にんじん、かぶ、ブロッコリー、レタス)


12.01.Mon. 
☆今夜のお献立

すき焼き、納豆、白米、自家製ぬか漬けおたくあん。柿。

12.02.Tue. 
☆今夜のお献立

お刺身の盛り合わせ、すき焼きの続き(お肉無し)、
かき玉汁(お豆腐、わかめ、長ねぎ、卵)、赤かぶのお漬物。


12.03.Wed. 
☆今夜のお献立

さば塩焼き、ほうれん草のおかか胡麻和え、花豆の甘煮、
うずら豆と割り干し大根のお煮物、お蕎麦。


12.04.Thu. 
☆今夜のお献立

お刺身盛り合わせ、大根のお煮物の続き、納豆、冷奴、
ほうれん草のにんにくバター炒め、卵焼き、玄米ご飯。


11.29.Sat. 脱・お鍋
日記の前の週を見てもらえばわかるが、
この一週間はお鍋お鍋、お鍋の連続だった。
あっさりさっぱり好きのわたしでも、さすがに飽きてきた。
体調はともかく、口内炎は終息を迎えてきたので、
今日から「脱・お鍋」!

昨日の大地宅配のお届けで、嬉しいものが来た。
大地宅配の中に「とくたろうさん」というコースがある。
栽培や流通の関係で、今では見かけることがすくなくなった
在来種のお野菜や山菜などが入ってくる。
その「とくたろうさん」で、「日本ほうれん草」が入ってきた。

ほうれん草には、もともとはイラン原産(コーカサス地方)で、
ペルシャ・イラン地方で古くから栽培されていた。
日本へは中国を経由して、江戸期に定着したと言われている。
ほうれん草には東洋種、西洋種(雑種)があるのだが、
その頃のほうれん草は、アクが少なく、葉が薄めの東洋種だった。

味だけでいえば、東洋種はアクが少なく、甘くて歯切れが良く、
とても美味しい。
ところが、東洋種には栽培上の欠点があった。
東洋種は夏の暑さには弱く(そもそも、ほうれん草の旬は冬)、
とう立ちが早いのだ。
その点、西洋種は、あくが強く大味で泥臭い、と品質は落ちるが、
一年中出荷できるし、収穫量も多いという利点がある。
そのため現在では、生産者のほとんどが西洋種を栽培している。
いってみれば、日本ほうれん草は「幻のほうれん草」なのである。

現在一般的に出回っているほうれん草は、西洋種。
葉が丸く、切れ込みが少なく、根っこもあまり赤くない。
これに比べて東洋種は葉が細く、先が尖っていて切れ込みが深く、
根っこの部分が太くて、色も鮮やかな紅桃色をしている。
アクというかエグミも少なく、あっさりした味で、
おひたしにすると、ちょっと感動するくらい美味しい。

こんなに繊細で味わい深いほうれん草が、
なかなか食べられないなんて、とても不幸だ。
生クリームやバターの西洋の味も好きだけれど、
美味しいほうれん草が食べられるなら、
江戸時代に生きるのもいいかな、と少し思う。




真っ赤な根元が甘くておいし〜♪
葉もやわらかくて、えぐみがない。
ぜひ一度食べてみてほしい。


11.29.Sat. 
☆今夜のお献立

生鮭の塩焼き、日本ほうれん草のおひたし、納豆、冷奴、
辛子明太子、油揚げとほうれん草のお味噌汁、白米。


◇参考ページ;拓殖大学北海道短期大学 相馬教授の解説コーナー
ほうれん草





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