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December,2001
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| →先月の「美味小話」はコチラ |
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I LOVE TOKYO.
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夕映えの風が囁いて
胃袋にjazzyなリズムを刻む街、トウキョウ。
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夜の帳(とばり)に包まれて
胃袋に欲望の灯が灯る街、トウキョウ。
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みかん。
今年はみかんが豊作です。みかんだけでなく、柿やりんごなど、果物が全般的に良い出来だったそうです。 我が家に配達される大地宅配のおみかんも、甘くてジューシー。上々の出来です。
わたしは美味しい果汁を一滴でも逃すまいと、おみかんを薄皮ごと食べています。丁寧にスジを取った房をひとつずつそっと口に運ぶ、そんな所作が女らしいとは思うのですが、どこかで聞いた話では、この白いスジに栄養があるとか。果物は皮に近い部分がもっとも糖度が高いことが多いので、薄皮ごと残さずいただくのが、美味探求精神からしても正しいわけです。なんて、ちょっと言い訳めいているかしら。
友人から枝ごとのみかんをいただきました。彼の家の庭のみかんも、今年は豊作なのだそうです。
「まだまだあるから、みかん狩りできるよ」
それはぜひ。カラスに食べられてしまう前に行かなくては。
そのみかんの木は、彼の亡くなったお母さまが植えたものでした。お母さまは建築段階からその家にこだわり、とくに居間は山小屋風に趣向をこらしてあり、とても居心地良く出来ています。わたしは残念ながら、お母さまにはお会いする機会は無かったのですが、後に家に遊びに行ったとき、ひっそりした部屋の中に、彼女の愛情が今も息づいているのを感じました。
みかんの木は庭の片隅から今も、家族の行く末を静かに見守っています。ひとが老いると同じように、みかんの木も時間の流れに逆らうことはできません。けれども、急ぎゆく人よりも、もっとゆっくりゆっくり静謐に時を歩んでゆく、みかんの木。
今年、この木が近年にない大豊作であることは、新しい年に良きことがある知らせかもしれません。
自らの力を信じて、厳しい道を歩んでいる友人に、ひとすじの希望の光となりますように。
もうまもなく、お正月が来ます。
お供えの鏡餅に載せるのは、本来は、一般的なみかんより小ぶりな橙(だいだい)です。「その家が代々栄えますように」と縁起を担いで、鏡餅やしめ飾りにお飾りするものです。
とは言っても、橙は手軽に入ることも多くない最近では、葉付きのみかんで代用するお宅も多いと思います。
我が家も新年の鏡餅には、友人の葉付きみかんをお飾りしようと思います。
あのみかんの木がもたらすであろう、穏やかな幸のお裾分けを願って。
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山形村短角牛。
みなさんは牛肉、食べていますか?牛肉加工食品を食べていますか?
今年、食卓を襲った最大のニュースは、何といっても狂牛病(BSE)でしょう。行政の後手後手の対策もようやく回り始めてきました。出荷前の検査体制も整い、現在、食肉として市場に出ている牛肉は、ほぼ安全であると言ってよいと思います。牛の解体方法についても、背割りの問題は少しずつですが、改善の方向へ向かっているようです。他方、在庫肉や加工食品については、正直なところ、消費者の立場からはまだまだ不安が拭い切れない状態だと思います。
最大の不安要素は、未だに感染経路が明らかにならないことです。どこかで肉骨粉が混入してしまっていることは間違いないのですが、それがどの飼料に入っていたのか、その飼料を食べた牛はどうなっているのか、さらに今後、牛の一生について誕生から食卓までその経路をたどる措置(牛のID制度など)がなされるか、これらのことがBSE対策のポイントになってくると思います。
我が家はご存知のように「大地を守る会」の食品宅配システム「大地宅配」を利用しています。それぞれのご家庭で方針は違うと思いますが、我が家は今まで何年か「大地宅配」を利用してきて、その誠実な運営態度に信頼を置いています。今回のBSEについても「大地を守る会」は、いち早く、消費者に情報を開示し、対応をしてきたと思います。だから、我が家では騒動の最中でも、大地宅配で注文した牛肉で、すき焼きやステーキを美味しく食べていました。
確かに、大地宅配の短角牛のお値段は、スーパーなどで売られているお肉よりも若干、高いです。けれども、安全を少しのお金で買うこと、そして誠実な生産者をその少しのお金が支えていることを、今回のBSEほど痛感したことはありませんでした。
この不況の中、どうしても消費者としては安いもの安いものに流れがちです。もちろん、同じ商品であるならば、流通コスト削減などの工夫が生み出すより安価なものに軍配が上がるのは当然です。
けれども、こと食べ物についても同じ発想で果たして良いのでしょうか?
BSEは行政の無責任さを露呈したのみならず、生産者、消費者双方に大きな問いを投げかけていると思います。
先日、大地宅配で「短角牛応援セット」という、牛肉セット商品を注文しました。パック包装の中に、一枚の「お礼状」が入っていました。ぜひ、多くの方に、このような生産者の存在を知っていただきたく、ここでご紹介したいと思います。(「大地を守る会」の許可をいただき、全文掲載いたします。読みやすくするため、若干の改行を加えました。)
お礼状 |
大地を守る会の会員の皆様、このたびは『短角牛応援セット』をご購入いただき、本当にありがとうございます。みなさんの応援が心に沁みました。
9月初旬のBSE発生のニュースは、私たちにとって寝耳に水のできごとでありました。ましてそれが私たちの生活に影響することなど創造もしていなかったことです。こんな山村にBSEの影響を及んでくるとは。
私たちが住居を構え、畜産業を営む岩手県山形村は、県北の山だけしかないような村です。昔ながらに、短角牛を山に放牧し、家の畑で飼料用とうもろこしや牧草を栽培して食べさせ、健康に育てた牛を送り出してきたつもりです。
ところが、外の世界は違っていました。経済主義にまみれた日本の農業と、グローバル経済に侵食された畜産業界はやはり、遠来の好ましからざる客を招きいれてしまっていたようです。この遠来の客はあらゆる路をたどって日本中に浸透しようとしています。その浸透が早く、巧妙でわかりにくいために、何が安全なのか、何がそうでないかの判断を、人々ができなくなってしまっているのです。
その結果、私たちの育てている短角牛も世間の目からは、不透明な霧の中に隠れたようになってしまっているのかもしれません。私たちのやってきたことを、きちんと開示する努力が、まだ足りないのだと顔を張られたような思いです。
私たちが大地を守る会と、そしてみなさんとともに志してきた、国内の一次産業が自立し、消費者が安全で、美味しい農畜産物を食べることができ、みなが心安らかに暮らせる社会をもう一度創り出したいという思いを、共有していること、このことを今回ほど誇りに思い、支えに思ったことはありません。
どうぞこれからも山形村と短角牛とご支援ください。そして今回のこと本当に心より感謝いたします。ありがとうございました。
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山形村短角牛飼育部会
部会長 杉下豊治
生産者一同 |
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★大地宅配の会員のみなさんへ。
短角牛、もし少し固く感じるようでしたら、牛丼などの煮込みにはお酒とお酢を少々、入れてみてください。ステーキは、キウイやパイナップルで1時間以上マリネすると、驚くほど柔らかくなります。そして少なくとも焼く30分以上前には、冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。塩コショウは焼く直前に。
我が家とて、短角牛を毎週頼むほど財政事情が良いわけではありません。でも「すき焼き食べたい!」「焼肉食べたい!」というときには、やり繰りして大地宅配の牛肉を注文しています。外食を1回我慢する、洋服や雑貨を買う楽しみをちょっとだけ我慢する、お安い乾物や旬のお野菜で食卓を乗り切る、そんなちょっとした工夫でがんばっています。
お肉の味がしっかり味わえる短角牛、脂身が臭みも胸焼けもなくすっきり美味しい短角牛、お鍋や煮込みにしてもアクが少ない短角牛。会員さんもそうでない方も、ぜひ一度、トライしてみてくださいね。
※参考リンク集
狂牛病に関する大地を守る会の見解
(有)総合農舎山形村について→1、2、3
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クリスマスデイ。〜for X'masE
今日25日はクリスマス・デー。クリスマスがイベント化している日本では、クリスマスと言えばもっぱら24日のイヴを指すようですが、実は欧米ではクリスマス・デーの方が大事な日です。この日を祝日にしている国も多く、イヴの礼拝に続き、教会へ出かけ、そのあと家族が集まり食事を楽しむことが多いようです。
2001年のクリスマスも今日でお終い。わたしの大好きな賛美歌をご紹介して、「キッチンひめ2001」のクリスマスの締めくくりとしたいと思います。旋律もとても美しいこの賛美歌、ご存知の方も多いと思います。曲はどうぞリンク先のページで楽しんでくださいね。
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賛美歌 111番
神の御子(みこ)は 今宵(こよい)しも
ベツレヘムに生まれたもう
いざや友よ もろともに
いそぎゆきて 拝まずや
いそぎゆきて 拝まずや |
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メロディーはココで→
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→ |
これからは年賀状(もう投函なさった方もいらっしゃるかもしれませんね)や大掃除、おせち料理など、お正月を迎える準備で、わたしも忙しくなります。
キリスト教の神さまもお正月にやってくる神さまも、わたしの心の中では同じなので(笑)、どちらも大事に心をこめてお迎えしたいと思います。
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おとなのためのクリスマス。〜for X'masD
一足早く、22日の土曜日に、おとなクリスマス会をしました。今年は総勢10名という大人数。
中には初対面同士もあるけれど、我が家にはどの顔々も馴染みの深い、気軽なパーティーです。今年一年、お世話になった人々へ感謝の気持ちを込めて、みなさんをご招待しました。
10代の多感な時期をキリスト教の学校で過ごしたわたしは、敬虔なクリスチャンではないけれど、クリスマスをとてもとても大切に思っています。
大好きな友人たちと、今年もゆっくり楽しいクリスマスを迎えることができ、心の中で神さまに感謝!
詳しくは後日、特集でご紹介するとして、今日は駆け足でお料理の一部をご紹介しましょう。
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洋梨の生ハム巻き。 |
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カラーピーマンのマリネ。 |
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アボカドとマグロのチコリボート。 |
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田舎風パテ。 |
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ミニパイ2種。
パンプキンパイ/ミートパイ |
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スタッフド・ローストチキン。 |
★クリスマス・パーティーのメニュー
1.洋梨の生ハム巻き
2.フランスパンとディップ2種(ツナ/クリームチーズサーモン)
3.カラーピーマンのマリネ
4.マグロとアボカドの前菜チコリボート
5.トマトとハーブオイル漬モッツァレラチーズのサラダ
6.お豆のサラダ
7.田舎風お肉のパテ
8.ミネストローネ&オレキエッティ(パスタ)
9.ミニパイ2種(パンプキン/ミート)
10.グリーンサラダ、ブルーチーズ
11.スタッフドローストチキン
12.ドライフルーツのワイン煮、マスカルポーネクリーム添え
13.NYチーズケーキ
家の中を飾りつけたり、パーティーのメニューを考えたり、お料理をしたり、、、そんな時間もわたしには楽しい時間でした。お料理もこれだけ並べられたのは、数日前からの準備だけでなく、当日、早めに来宅して手伝ってくれた友人たちのおかげです。
「また来年ね!」
口々にこの言葉を残し、友人たちは寒空の中、家路へと急いでいきました。
遠路、我が家に駆けつけてくれた友人たち。
とても嬉しかった。どうもありがとう。
良いお年を迎えてね。
明日のイブは家族で、心静かに過ごそうと思います。
日本中、世界中のひとびとの心に、
温かい灯が灯る一日でありますように。
そして
ひとりでも多くのひとが、
他人を想う気持ち、感謝の気持ちを
胸に抱く一日でありますように。
アクセスしてくださったみなさんに、ささやかなプレゼント。
下の★をクリックしてみてくださいね。
本場のサンタさんに会えます♪
(音が出るので、職場からアクセスするときには気をつけてね!)
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メニュー。〜for X'masC
今日は、おうちクリスマスのための簡単メニューをご紹介しましょう。まだメニューが決まっていない方、骨付きチキンは苦手という方、どうぞ参考になさってくださいね。
1、イタリア風グリルドチキン
→レシピ
唐揚げや親子丼に使う、鶏のもも肉や胸肉で、美味しいオーブン料理を作りましょう。s最大のポイントは「美味しくなぁれ!」と念じること。ふっくらしたグリルドチキンは見栄え良し、味良し、ワインにもぴったりです。
2、根菜のスープ
→レシピ
市販の固形ブイヨンを使わなくても、とっても美味しいスープができます。お料理教室でご紹介したものです。お好みでパスタをぱきぱき折って入れても。
3、シェル型パスタのチーズ風味
貝(シェル)の形やマカロニなど、ショートパスタでお手軽な一皿を。パスタは柔らかめに茹で、少量の茹で汁、たっぷりのバター、パルメザンチーズ、コショウを加えて、弱火でからめます。なんてことない一皿だけれど、キュートなショートパスタで作るとお洒落な一皿になります。お肉の付け合せに良いです。
4、フレンチトースト(写真無し)
→レシピ
これは前に「キッチンひめ」メールニュースでご紹介したものです。いつものフレンチトーストもこうすれば、巷で大人気のプリンパンに近づけます。お砂糖は控えめになっているので、殿方にはこのままでベーコンやソーセージを添えて、お子さまにはジャムやはちみつとホイップした生クリームを添えてどうぞ。
5、アップルロール
パンを焼いたことのある方は、ケーキ型でアップルロールを焼いてみませんか?生地は作りなれたものでおっけー。余裕があれば、お水のところを一部、生クリームやヨーグルトに変えて(お水と生クリームなどで、基本の水分量よりもほんの少し多くなるようにする)、柔らかい生地にしてみてください。生地を6〜7等分して、りんごの甘煮をくるくる巻いて、ケーキ型に詰め込みます。表面に卵黄液とグラニュー糖を塗ります。焼きあがったら、粉糖の雪を降らせておめかしすれば、ケーキに負けない迫力です。
6、フルーツ
デザートを簡単に済ませたい場合や、オトナばかりのテーブルの場合、フルーツが重宝します。イチゴやリンゴ、洋梨などを小さくカットし、お好みの洋酒とはちみつをまぶして1時間、冷蔵庫でなじませましょう。そのままでも良し、マスカルポーネなどのチーズやヨーグルト、アイスクリームを添えれば、手間入らずの麗しいデザートのできあがり! |





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今回ご紹介した食卓の画像は、実は11月のボジョレーヌーボーのためのディナーの写真です。そのつもりじゃなかったのに、夫がボジョレーの包みを手に帰宅。
「なんだか今年は美味しそうだから、ボジョレー買ってみた」
それはタイヘン!と大慌てでこしらえたディナーでした。
だから、それほど手間も時間もかからないメニューなのです(苦笑)。ワインに合うこと、間違い無し。特別な材料も必要なく、冷蔵庫にあるものでできます。
但し、今回ご紹介したこのままのメニューだと、炭水化物が多すぎると思います。適当に組み合わせてみてくださいね。みなさんのメニューのヒントになれば嬉しいです。
では楽しい連休を!
我が家も明日はパーティです。
あ、そうそう、アクセスしてくださったみなさんに、ささやかなプレゼント。
下の★をクリックしてみてくださいね。
本場のサンタさんに会えます♪
(音が出るので、職場からアクセスするときには気をつけてね!)
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ロッヂで待つクリスマス。〜for X'masB
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きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス |
あまりにも有名なユーミン(松任谷由美)の「ロッヂで待つクリスマス」。お洒落でちょっぴり切ないこの曲は、聴くひと、それぞれの心に、美しい銀世界を描きます。
学生時代、さしてスポーツが好きでもなかったわたしも、大学生らしく、毎冬のようにスキー旅行に出かけていました。ゲレンデでは山下達郎の「クリスマスイブ」やユーミンの「恋人はサンタクロース」「ロッヂで待つクリスマス」などが大音量で流れていました。もたもたしているわたしの横を、鼻歌を歌いながら颯爽と滑っていく男友達が、頼もしく思えたものです。
ゲレンデでは今でも、スノーボードに混じって、あの頃のように、ユーミンや山下達郎をバックに、風を切って滑る若者がいるのでしょうか。
北海道の「六花亭」のストロベリーチョコを眺めていたら、ユーミンの「ロッヂで待つクリスマス」が、ふっと頭の中で流れました。
この「ストロベリーチョコ」は3年ほど前に発売されたものですが、口コミで広がり、今ではちょっとした人気です。もちろん、わたしの学生時代には無かったお菓子です。
まるでアイスクリームの容器のような、クリスマスカラーの箱を開けると、中からごろんごろんと、滑らかな白い玉が出てきました。雪のような、その大粒のホワイトチョコレート玉に歯をあてると、サクッと割れて、中からフリーズドライのイチゴが丸ごと顔を出します。乾燥イチゴですからジューシーさはありませんが、フリーズドライの特徴がよく生かされていると思いました。よくあるストロベリー味のチョコレートよりも、イチゴの風味と甘酸っぱさが強く感じられます。
特別ものすごーく美味しい、というわけではないけれど、コストパフォーマンス的にも納得のお菓子です。白と赤のコントラストもキュートで、クリスマスのお茶菓子には良いかもしれません。
クリスマスのお菓子には、白や赤などのカラーにこだわったり、ふんわりした柔らかさやなめらかな口どけのものを選ぶと、よりクリスマスモードが高まりますよね。色とりどりのビーズのようなドライフルーツを焼き込んだパウンドケーキもいいし、アイスクリームを使ったケーキやプリン、ティラミスもぴったりです。焼き慣れたマフィンやシフォンケーキも、粉雪を降らせたり、フルーツを飾れば、可愛いクリスマスケーキになります。
→ひめのレシピから〜プリン/マフィン/りんごケーキ
→去年のクリスマス特集〜こども会&オトナ会
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銀の月の影を 抱きとるように
森も谷も越えて心は滑る
きっとちがう明日が訪れそうな
ロッヂで待つクリスマス |
わたしがゲレンデを降りてから、どれくらいの時間が流れたでしょう。今ではもう、ゲレンデにも雪国の町にも、行くことは無くなりました。 トウキョウの街がほんのひととき銀世界に染まることはあっても、あの透き通る空気と、ひとを寄せ付けない冷たさと、人恋しい気分にさせる滑らかな白い白い雪肌。そういったものは、雪国やゲレンデならでは、です。すぐに消えてしまうトウキョウの雪を眺めてうっとり気分では、すこし寂しいかな。
でも、ユーミンの歌を聴いて、「あの頃に戻りたい」なんて思うほど、わたしは若くはありません。いくつもの冬を通り過ぎて、「サンタクロース」も「きっとちがう明日」も、待っているだけではやって来ないことも知っています。
もし、心が哀しいひとがいるならば、病で哀しいひとがいるならば、そっと耳元でささやいてあげたい。
サンタクロース。
そのひとはきっと、あなたの近くにいるわ。
あなたが大事に想うひと。
恋人、友人、家族、それがあなたのサンタクロース。
銀の月が光るゲレンデ。
それはきっと、あなたの心にあるわ。
目を閉じて、ゆっくり息を吸い込めば
窓もドアも、森も谷も、越えて
白い尾根を滑る、あなたが見える。
あなたが居る其処は、暖炉が温かいロッヂ。
ロッヂで静かに時をめくれば、いつの日かきっと、
あなたを呼ぶ春の声が聞こえてくる。
■六花亭■ストロベリーチョコ 115g/500円
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こどもクリスマス会。〜for X'masA
小学生の子供とそのお母さんたちと、こどもクリスマス会をしました。
詳しくは、おとなクリスマス会と合わせて、「特集」でご紹介しようと思いますが、何かと忙しいこの季節。主婦のわたくしも例外ではございません。なかなか特集を更新する余裕が無いので、先にココで簡単にご紹介します。
今年は去年に比べて、すこし手抜きモードでした(汗)。前日に、ケーキの台となるシフォンケーキだけ焼いて、あとは当日2時間ほどの準備で間に合うメニューです。
1)タコスチップス
輸入食材店などで売っている「タコチップ」(軽い塩味がついている)を利用しています。ソースはこども向けのツナソースと、おとな向けのトマトソース。
●ツナソース;ツナ缶、玉ねぎのみじん切りをマヨネーズ、レモン汁、塩コショウで和える。
●トマトソース;トマト・きゅうり・玉ねぎをみじん切りにし、スイートチリソース、ナンプラー、レモン汁、オリーブ油、カイエンヌペッパーで和える。(チリソースが無い場合は、はちみつとタバスコで代用)
2)チーズフォンデュ
市販のチーズフォンデュのソースを利用すると、失敗無くできます。但し、調味料など余計な添加物の無いものを選びましょう。ソースは生クリームと白ワイン少々を加えてかき混ぜながら、ゆっくり加熱します。
この銅製チーズフォンデュ鍋は、アルコールランプがセットになっています。が、今回はこども会。火気は危険であること、ランプをセットすると、フォンデュ鍋の位置が高くなってこどもが食べにくいことから、こどもたちに「正しい使い方」を説明した後、ランプを取り外しました。
お野菜の苦手な子も、チーズフォンデュにすれば、抵抗無く、美味しく食べられたようです。お野菜類(ブロッコリー、アスパラガス、プチトマト、ウインナー、海老)は塩茹でしてあります。
こどもには特に新鮮だったようで、喜んでいました。たくさんのフランスパンもお野菜もぺろっとお腹に収まる楽しいチーズフォンデュは、気軽なパーティにオススメです。
3)ドライカレー
辛いものが苦手なこどもにも好評だったドライカレー。お替り続出でした。
●こどもドライカレー;玄米と白米(1:1の割合)で、やや固めのご飯を炊く。具は玉ねぎ、ベーコン、卵のみ。味付けはカレールウ、ケチャップ、お醤油少々。
※おとな向けの場合はカレーパウダーが望ましいが、こども向けの場合にはカレールウを利用すると、マイルドに仕上がる。カレールウは細かく刻むか、摩り下ろして、ご飯といっしょに炒め合わせる。あれば、松の実やピーナッツなどナッツ類を入れると美味しい。
4)クリスマスケーキ
今年はチョコレートシフォンケーキを土台にしました。シフォンケーキは前日に作り、当日デコレーションします。
良質の生クリームをたっぷり塗り付け、シロップにつけておいたラズベリー、ソテーしたバナナをトップに乗せます。ミントの葉、サンタさんのお飾りを付けてできあがり。ラズベリーのソースが垂れていますが、このソースや柔らかいバナナがシフォンケーキとよく合うのです。だから、フルーツがトロトロでも、ソースが垂れるのも、許してね。
シフォンケーキは軽いので、お腹いっぱいでもすんなりと「別腹」に収まります(笑)。スポンジを焼くよりも失敗が少ないし、オススメです。
写真では立ててサーブしていますが、食べるときにはケーキは横に倒して、ホイップクリームをたっぷり添えてください。
●チョコレートシフォンケーキの作り方→
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ひとしきり食べた後は、恒例のプレゼント交換やゲームで楽しい時間を過ごしました。プレゼントはひとり1000円で、おとなもこどもも参加します。おとなだって、プレゼントをもらうと嬉しいもの!
今週末は三連休の方も多いでしょう。きっと、あちらこちらでホームパーティーが開かれているでしょうね。今日ご紹介した「キッチンひめ」2001年こどもクリスマス会、みなさんのパーティーのヒントになれば幸いです。
我が家も今週末は「キッチンひめ・おとなクリスマス会」です。おとな会では毎年、スタッフドローストチキンがメインと決まっています。お風邪をひいている場合じゃないわ。早く体調を整えなくっちゃ!
♪真っ赤なお鼻のトナカイさんは〜♪
あなたのおうちにも、陽気なトナカイさんとサンタさんがやって来ますように。
えっ?オトナには来ないよって?
いえいえ、そんなことはありませんよ。楽しい笑い声が聞こえる家は、窓の外にきっとこっそり、サンタさんが見に来ています。
オトナには見えないだけよ。
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洋梨のババロア。〜for X'mas@
いよいよ、クリスマスシーズンの到来ですね。今週、来週と何回かに分けて、「すぐ使えるクリスマスメニュー」をご紹介したいと思います。
今日、ご紹介するのは、洋梨のババロア。フレッシュの洋梨はもう旬もお終いに近づいています。が、もし店頭で見かけたら、ぜひトライしてみてくださいね。とぉっても美味しいデザートができます。
ひと手間かかりますが、洋梨のコンポート(甘煮)から作ってみましょう。コンポートの作り方も、ババロアのレシピに載せてあります。
コンポートはよく冷やして、そのまま食べても美味。アイスクリームやリコッタチーズに添えるだけでも、立派なデザートになります。また、固めに仕上げて、生ハムとルッコラといっしょにサラダ仕立てにし、ピリッとブラックペッパーを効かせたオリーブ油とレモン汁で合えても楽しいです。
もちろん、フレッシュの洋梨が手に入らない場合は、缶詰でおっけーです。
今回のババロアは、容器の底にフランボワーズ(木イチゴ)が隠れています。ババロアの優しいクリーム色の雪の下からのぞく、赤いフランボワーズがキュートでしょ?赤×白で、さり気なくクリスマスカラーにしてみました。このフランボワーズの酸味が、ババロアのクリーミーな味をより引き立ててくれます。
最近は大きなスーパーや、ネットのお菓子材料のお店などで、冷凍のフランボワーズが、比較的簡単に手に入るようになりました。フランボワーズの酸味は生クリーム系やチョコレート系によく合うので、ケーキの飾りにしたり、ソースにしてアイスクリームに添えたりすると、ぐっと見栄えも良くなり、味もグレードアップします。
クリスマスのおうちディナーやホームパーティーは、メインのお料理に力を注いで、できればデザートは前日に作っておけるものにしたいですよね。そんなときに、ババロアやゼリー、シフォンケーキは便利です。
お外クリスマスディナーもうっとりするけれど、気も急く師走の一夜、ゆっくりとご家族やお友達と過ごす、おうちクリスマスも素敵です。忙しい方は、メインのお料理だけ、デザートだけなど、どれか一品だけでも、こだわりの手作りを作ってみてはいかがでしょうか?
クリスマスは言わずと知れた、イエス・キリストのご生誕を祝う、キリスト教の大事な行事です。でも、最近はキリスト教の行事としての意味だけではなく、世界の平和を願ったり、家族や友人、恋人との絆を確かめ合う意味合いが強くなっています。
先日のアメリカ、ニューヨークやワシントンDCでのツリーの点灯式も、
"Merry Chritmas!"だけでなく、
"Happy Holidays!!"
という声が聞かれました。これはキリスト教以外の人々への配慮だそうです。
国も宗教も人種も経済的な格差も越えて、キャンドルの灯りのもと、世界の平和と愛を祈る。これが、崇高で美しい行為であることは、誰も異論を唱えないでしょう。そして、敵も味方も同じように愛すること、貧しいひと、病めるひとに手を差し伸べること、それこそがキリスト教の教えにもかなうものと思います。
キリスト教に縁のある人も無い人も、自分のために、家族のために、友のために、そして寂しい人・病める人・苦しみのうちにある人のために、ほんのすこしの愛と勇気を心に灯すクリスマスになりますように、、、。 |
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牡蠣鍋。
友人を招いて、牡蠣(かき)しゃぶをしました。お鍋の温かい湯気には、心の距離を縮める不思議な魔法が備わっています。
お鍋の準備は少なくとも、開始時刻1時間前から。お水とお酒を入れたお鍋に昆布を入れて、出汁を取っておきます。
皆が揃ったところで、卓上コンロに着火。太めの擂り粉木(すりこぎ)ほどの太さの深谷葱(ねぎ)を入れ、いったん沸騰させます。
中火に落として、さあ、牡蠣しゃぶの始まり。
今日の牡蠣は生食用。ぷりっぷりの上物です。さっとお鍋にくぐらせて、おろしポン酢に浸し、すぐさま口に放り込む。
「ん〜っ、美味しいねぇ!」
お鍋を囲む顔ゝがほころびます。
この日のお鍋は、実はすこし特別な意味がありました。ある友人がまた入院するので、彼女を元気付ける意味があったのです。
「また」というのは、つい先日まで、彼女は社会生活を送りながらの加療入院をしていました。つかの間の退院を経て、再び彼女は治療に専念することが決まっています。
お鍋を囲むおしゃべりは弾み、美酒を酌み交わし(もちろん、加療中の彼女は舐めるだけ)、「美味しい!」の確認作業が続きます。
お鍋は牡蠣しゃぶから、牡蠣鍋へ。帆立や鱈(タラ)、きのこ、お野菜が続々と投入されていきます。
食用菊のお酢の物、大根といかのお煮物も並び、皆の食欲をそそります。
お酢の物は、冷やしたことでますます甘酢のバランスが引き立ち、菊の茹で加減も良く、しゃきしゃきした歯ざわり。お煮物は、大根がいかとお醤油の旨みを吸って、大根の甘さの後ろに控える、わずかなほろ苦さが日本酒と好相性です。
仕事のこと、病気のこと。空気が重くなりがちなシリアスな話も、お鍋の湯気が温かく包み込み、解き放っていきます。
「美味しいって、ほんとに幸せよねぇ」
「まったく、うまいものを食うために、仕事しているようなもんだよなぁ」
「これがまた、ひとりで食べても、とりあえず腹を満たすためだけになったりして、つまらないんだよね」
「ほんと。今まで、仕事イチバンと思って走ってきたけれど、病気になって価値観が変わったの。食べることとか、家族とか、とても大事だなって思う」
「そうそう。家族や友達とか、好きな人といっしょに美味しいものを食べることは、小さいかもしれなけれど、ひとに幸せと喜びをもたらすと思うのよね。気持ちが元気になる」
「やっぱり、美味しいものを食べる楽しみが無かったら、仕事も病気もやってらんないよ」
「ふふふ、退院したら、またごはん食べに来ちゃおうかな」
「どうぞどうぞ。元気になって、今度はお酒もしっかり飲まなくっちゃ」
「じゃあ、何本もお酒を背負って来ます」
そろそろ、お雑炊にしましょう。
友人Mは、我が家の仲間うちでは雑炊名人であります。彼の作るお雑炊は絶品なのです。この日は特に素晴らしい出来でした。
お米はふっくらとお汁を吸い、煮崩れる一歩手前の微妙なとろみ。溶き卵がふんわり優しく米粒を包み、味に丸みを添えています。塩加減、醤油加減もほど良く、これ以上でもこれ以下でも駄目な絶妙さ。そして牡蠣の旨みか、いつものお雑炊よりも一段、味に奥行きがありました。
「ああ、ほんとに美味しい!」
「お腹いっぱいのはずなんだけれど、全部食べられちゃう」
「うん、今日のは最高だね」
端休めには、白菜の浅漬け、ぬかみそ漬け、柿と鶏ささみの白和えをお出ししました。白和えが思いのほか好評で、わたしも満足。
すっかり食べ終わったときに、Mが満足げに言いました。
「ヨカッタ。今日はね、今までで一番気合を入れて作ったんだ」
食後のお茶をすすりながら、彼女と話していると、彼女の大きな澄んだ目から、大粒の涙がはらりとこぼれました。
「ごめんなさい。まだときどき、涙を止めることが出来なくて」
「いいのよ。どんな言い方をしても、病気になったことは辛いことには違いないのだから。我慢しないで」
「先のことはわからないけれど、ひとつひとつ目の前のことをこなして、一日一日を大事に過ごして、一ヶ月、一年、二年、とつながっていけばいいと思っているの」
別れ際、わたしたちは来春の再会を約束して、抱擁を交わしました。
「気持ち、わかるから。ひとりじゃないから」
「ありがとう」
彼女は涙をふいて、タクシーの中に滑り込みました。
星がひとつ、凍てつく乾いた夜空に貼りついていました。都会の夜空では、目をこらして見ないと、消えてしまいそうな星でした。
決して強い光ではないけれど、確かに輝くその星を、わたしは心に深く刻み込みました。
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おいなりさん。
関西と関東の違いがくっきりと浮かび上がる食べ物のひとつに、いなり寿司があります。
呼び名も、いわゆる標準語では「いなり寿司」、大阪弁では「おいなりさん」。関東では四角形に整え、シンプルな酢飯を詰めますが、関西では三角形に整え、五目寿司を詰めるようです。
九州出身の実家の母は、故郷では関西風の「おいなりさん」だったそうです。上京してこちらの生活が長くなったためか、子供には関東風を作っていました。
でも、呼び方だけは「いなり寿司」ではなく、「おいなりさん」。北の地方の出身の父も、何も異議を唱えなかったのでしょう。実家ではずっと、関東風の「おいなりさん」でした。
おかげで、わたしはトウキョウで生まれ育ったにもかかわらず、四角形でシンプルな酢飯入りの関東風のそれを「おいなりさん」だと思っていました。
大人になり、お店でお弁当を買う段になってようやく、「おいなりさん」はどうやら世間では「いなり寿司」と呼ばれることが多いことに気が付きました。
しかし、幼い頃からの刷り込みは侮(あなど)れないもので、わたしの中ではすっかり「家で作るもの=おいなりさん」「外で買うもの=いなり寿司」、とおかしな図式が出来上がってしましました。
さらにおかしなことに、お弁当のパッケージの「いなり寿司」という印刷文字には、さして抵抗感は無いのだけれども、「いなり寿司」という言葉を発するには、わたしの中で越えられない壁が存在するようなのです。
「いなり寿司、買ってきて」
とは、どうしても言えないのです。
先ほどのわたしの図式でいくと、外で買う=いなり寿司、のはずなのですが、「いなり寿司」という言葉がどうにも喉元にひっかかって出てこない。
「おいなりさん、買ってきて」
になるのです。どういうことなのだろう。
大学のとき、こんなことがありました。
明らかにわたしより恵まれた環境に育った女友達と、学生食堂での会話。
「ねぇ、お正月で太っちゃったわ。ダイエットしなくっちゃ」
と、彼女。
「お餅って、結構カロリーあるものね」
「そうらしいのよ。餅1個で茶碗一杯分と同じなんだって」
「へぇ、お餅1個がお茶碗一杯とはねぇ。うっかりできないよね」
このときわたしが小声で「えっ」と聞き返したくなるくらい驚いたのは、お餅のカロリーのことではありません。「餅」「茶碗」という彼女の言葉に、吐き気がするくらい違和感を覚えたのです。
わたしは小さい頃から、「お餅」「お茶碗」「お水」「お豆」「おいも」「お鍋」というように、こと食べ物関係の言葉には「お」を付けて話していました。おそらく、両親の教育方針だったのでしょう。本や教科書では当然「お」無し言葉ですから、作文などでこれらの言葉を使うときにはいつも、「お」を付けても良いものか、筆を止めて悩んだものです。
幸か不幸か、大学に入るまで「お」無し言葉を使うひとは周りにいなかったので、大学の男友達が使う「酒」「肉」「皿」などという言葉はひどく乱暴に思えました。ましてや、女の子がそんな言葉を使うなんて、わたしには考えられないことだったのです。
しかし、考えてみれば、「おビール」や「お紅茶」は丁寧語としては不適切で、むしろ水商売関係の言葉とされているように、「お」無し言葉の方が日本語としては正しく潔いとも言えそうです。
わたし自身は、これらの「お」付き言葉を丁寧語とは捉えていなかった、と思います。そういう単語として、身に染み付いていただけのことです。実際、普段のわたしの言葉遣いはむしろ、ぞんざいなものだったかもしれません。
聞くところによると、関西弁では食べ物に「お」や「さん」を付けることが多いとか。例えば、標準語で「油揚げ」は関西弁で「お揚げさん」、「豆」は「お豆さん」、「さつまいも」は「おいもさん」、「お粥」は「お粥さん」。
こうして並べてみると、関東では「いなり寿司」が、関西では「おいなりさん」になることも合点がいきます。関西人の特有の洒落っ気からなのか、食べ物への愛着からなのか、耳当たりの優しい言葉遣いだと思いませんか。
他方、関東では、海苔巻きといなり寿司の組み合わせを「助六寿司」と呼びます。これは歌舞伎十八番の「助六由縁江戸桜」に由来します。
曽我の五郎・十郎が父親の敵を討つお話。侠客の助六に身を変えた五郎は吉原に入り込み、花魁(おいらん)「揚巻」の情夫となり、、、。
つまり「助六寿司」は、助六と言えば揚巻、揚巻と言えば油揚と海苔巻、という江戸情緒的洒落なのです。そこには、お江戸のファーストフードとも言うべき食べ物と、人気歌舞伎への人々の愛着心が見え隠れしています。
このように、食べ物を慈しむ心は人々の生活の中で、関西でも関東でも、ゆっくり育まれてきたのです。美しい、と思います。
単語に「お」という接頭語を付けるかどうかは、方言にもよるでしょうし、良し悪しの問題では割り切れないものでしょう。でもわたし自身にとっては、「お」付き言葉はもはや人格の一部であり、とても気に入っています。
「今夜はおいなりさんよ」
「嬉しいな。美味しそうだねぇ」
甘辛い味がよく染みた、お醤油色の四角い「おいなりさん」。中にはシンプルな酢飯。甘酢生姜を刻んで入れることもありますが、今日はすり鉢で丁寧に当たった半ずり胡麻がたっぷり入っています。
頬張って閉じるまぶたにうっすら浮かぶのは、好天気の運動会、母の手、歌舞伎見物のお弁当、コンビニのパッケージ、、、。
目を開けると、家人の入れたお茶が湯気を立てていました。 |
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