No.8
(2001年11月18日)
早いものでもう11月。

酷暑といわれた暑い夏も、いつのまにか終わり、気が付けば秋深し。。。
魚は脂がのり、果物は甘く熟し、キレイな紅葉を眺めながらの温泉、夜長には読書。
気候は暑くもなく、寒くも無く...。

海外で生活する日本人にとって、最も望郷の思いが募るのは秋かもしれません。

しかし、ヨーロッパの秋というのもまた、いいものであります。


モーゼル、ライン河沿いの葡萄畑や、マロニエの並木道が黄色く色付き(画像上)、煉瓦造りの教会のツタが赤く紅葉する様は息を飲む程、美しいといっても過言ではないと思います。



(紅葉したツタ

外の空気はツンとさすように冷たくなってきます。その身の引き締まるような冷たい空気が
間もなく訪れる長い冬を告げるかのようです。



ドイツにいて日本が恋しくなる時、決まってセットで恋しくなるのが、温泉でしょうか。

ドイツにも各地に温泉はあるのですが(いわゆるクアハウス)、いずれも湯温は日本の温泉よりもかなり低め。水着着用だったりします。

私の知り合いのドイツ人が言うには、日本の温泉は熱すぎるそうな。
彼女は日本へ行った折、温泉に入ったものの、あまりに熱くて1分と入れないと言ってました。
それでもガンバって入ってみたが、彼女の身体は真っ赤っかになってしまったそうな。


そんなドイツの温泉はどこが有名かといえば、間違いなく、
南ドイツの高級温泉保養地 バーデンバーデン
 でしょう。
ドイツ語で「バーデン」とは入浴や温泉をも意味し、その歴史はローマ時代まで遡ります。
ローマのカラカラ帝が利用したといわれる「カラカラ浴場」もこのバーデンバーデンにあります。


右の画像はルクセンブルグとの国境に近い街、
トリアー(Trier)のローマ時代の遺跡、カイザーテルメン。
ローマ時代に、既にこのような大浴場があったのですから驚きです。

これはローマのディオクレチアヌス浴場、カラカラ浴場に並ぶ古代3代大浴場の一つ。
遺跡とはいえ、現存する土台や水路の跡など、きちんと修復すれば現在でも使用できそうなほどしっかりとしています。


日本人にとっては、ぬるめのドイツの温泉。
ドイツ人にとっては、熱めの日本の温泉。。。
そもそもドイツ人は、日本人のように頻繁にお風呂につかる習慣はなく、大抵の場合、シャワーのみで済ませてしまいます。
そんな彼等の為のクアハウスですから、日本人には物足りなく感じてしまうのかもしれません。


日本ならば、温泉といえば、その後のお楽しみは美味しいご馳走というのがお約束。
ではドイツは?といえば秋の味覚よりもカジノでしょうか◆◆◆

勿論、秋の味覚もちゃんとあります。

以前にご紹介したポルチーニや、鮮やかな黄土色で、ラッパのような形をしたアンズ茸も秋の味覚です。
ポルチーニ(シュタインピルツ)はパスタに使ったり、新鮮なものは生で食べます。
アンズ茸は加熱するとトロミがでるので、ホワイトソース仕立てのパスタソースにしても美味しいです。

この時期、ドイツ人も日本人同様、森へキノコ狩りへ出かけます。
余談ですが、ドイツ人のお年寄りは森をお散歩するのが、季節を問わずお好きなようで、綺麗な格好をして、帽子をかぶってお散歩しています。


その他、ヴィルド(Wild)と呼ばれる狩猟鳥獣料理も、この時期が旬といわれます。

鹿、ウサギ、キジのお料理は日本ではあまり馴染みの無いものかもしれませんが、ヨーロッパではそう珍しいものでもなく、さほど高価なものでもありません。
鹿肉はヴィルド特有の臭みがありますが、これはジュニパーベリー(ねずの実)のように、強い香りの香辛料と一緒に調理することで食べ易くなります。
よく見かけるのは「鹿肉のグーラッシュ」でしょうか。

グーラッシュとはパプリカを使ったブラウンソースのシチュウのような料理で、ハンガリー料理といわれています。
肉質は牛肉とさほど変わりませんが、料理によっては肉にパサつきを感じる事もあります。

画像は残念ながら牛肉のグーラッシュ








ウサギは...というと、
「エ〜!うさぎ!?」と思われるかもしれません。
でも、ドイツ人は結構、ウサギが好きみたいです。
なにせ、ドイツのネコの缶詰めには、ウサギ肉なんてのがありますから。。。

...で、どんなお味なのかというと、非常に鶏肉に似ています。
....が、ちょっと骨が多いんです。(画像右 うさぎ料理



これはヴィルドの種類に入らないかもしれないのですが、
昨年来の狂牛病騒動のおかげ(?)で、私はダチョウ肉まで食べてしまいました。
これが驚く程、牛肉に近いのです。
加熱しすぎても牛肉ほど硬くならず、臭みも殆ど感じませんでした。
おそらく「これは牛肉だよ」と言って出されたも
わからないかも。。。


またドイツで秋といえば、
10月にミュンヘンで行われるオクトーバーフェスト
このお祭りはまさにビール祭りであり、正式には9月の第3土曜日〜10月の第1日曜日までの開催なのです。

ミュンヘンはバイエルン州の州都であり、ルードヴィッヒ2世で有名なヴィッテルスバッハ家のお膝元。
日本人がドイツをイメージする時、恐らくこのミュンヘンのイメージがドイツそのものではないかと思います。

このお祭り、もとはルードヴィッヒ1世の結婚祝賀会としての市民祭りだったものが、今日のビール祭りになったようです。
かつて宮廷用ビール醸造所だった『ホーフブロイハウス(Hofbraeuhaus)』もここにあります。
ここはかつてヒトラーが演説した事でも有名です。


高級食材店として有名なアロイス.ダルマイヤー(Alois Dallmayr)もここに本店があります。
ミュンヘンには6大ビール会社があり、アウグスティナー(Augstiner )や、ライオンマークのレーベンブロイ(
Loewenbraeu)
などがその代表です。

ミュンヘンの名物ビールといえばヘレスと呼ばれる、下面発酵できれいな黄金色をしたビールが有名です。

その他、ヴァイツェンビア(画像右)という大麦と小麦の麦芽から造られた少し濁った黄金色のビールも人気があります。
このビールには少しレモンを絞って飲んだりもします。
これらはいずれも口当たりの良いビールで、すっきりとした味わいです。

これらのビールに加え、メルツェンオクトーバーフェストという、モルトの香りとアルコール度数が比較的高めなビールがこのお祭りの主役となります。


オクトーバーフェスト期間中は、1000人規模で収容可能な巨大テントがいくつも出現し、ビールとミュンヘン名物の白ソーセージやシュバイネハクセでひたすら飲みまくるのです♪
テント内は色々な国の言葉が飛び交い、いかに世界的に有名なお祭りなのかが伺えます。
ドイツはお祭りというと、大きな観覧車や移動遊園地がセットでやってきますので、アルコール苦手の方やお子ちゃま方も、ちゃんと楽しめるお祭りなのです。



ところで、このオクトーバーフェスト、
ミュンヘンだけではなく、各地で開催されているのです。


なにせドイツには1300を超えるビール醸造所があるので、ドイツ人はひそかに自分の地元のビールに誇りを持っていたりします。


薫製ビールで有名なバンベルグデュッセルドルフのビールで、上面発酵の赤銅色で少し苦味のあるアルトビール(画像上)、

また隣のケルンには、ケルシュという黄金色でフルーティーな味わいのビールがあります(画像下)。


これらのビールのグラスに注目して頂きたいのですが、各ビールごとにグラスの形が異なります。
これは偶然ではなく、ビールによって決められた形のグラスに注がれて出てくるのです。

グラスにまでこだわりを持つなんて、ドイツ人らしいというか....。




日本ではビールといえば夏!というイメージですよね。
ドイツは日本のようにビールを冷たくして飲まないので、10月でもビールのお祭りなんてできるのかもしれません。
というか、彼等は単にビール大好き国民なので、いつだって飲んじゃいます。

「ぬるいビールなんてまずそ〜」なんておっしゃらず、
意外と冷たすぎないビールというのは味と香りをしっかりと味わえるものなのですよ。



それではまた!
 Zum Wohle! (ツムヴォール)Prosit!! (プロジィット)(乾杯!乾杯!!)!

プ〜さん♪
NEXT
プーさんのドイツ食便り INDEXへ
→プ〜さんへのメール