No.9
(2002年8月23日)
かなりご無沙汰してしまいました。
みなさん、お元気でお過ごしでしょうか。

ところで日本の夏は暑い。
このまとわりつくような湿度と、クラクラするような気温。セミの鳴き声...。
私は今、これらの環境に囲まれて生活しています。

そうです、本帰国したのです。
帰国したのは昨年なのですが、
帰国後は、あれよあれよのうちに時間が過ぎてゆき、こんな結果に。。。
コーナーでの報告が遅くなって申し訳ないです(汗だく)。


私が日本を離れていた6年近い年月、
日本は政治、経済、国民生活において大きく変化したのだ、という事を改めて確認しました。

まず、街へ出てとまどったのは銀行
私がドイツへ行く時は、まだ東京三菱銀行が合併する前でしたから、
帰国後に馴染みの銀行を探すのにアタフタ(あれれ..?ここにあったはずなのに...と)。
ついでに、ユニクロや¥100ショップといった価格破壊系の店にもビックリ。
ダイソーで「これ...全部¥100ですか?」と聞いてしまったほどの浦島ぶり。

あとはゴミ出しも半透明のゴミ袋使用となり、リサイクルゴミとの分別など、
以前に比べて、ゴミ問題に対しての少しばかり意識が変わってきている事。
しかしながら、
ドイツであの徹底したゴミ分別にとっぷり浸かってしまった私には、
今では日本のゴミ出しには違和感があります。

 ..............とはいうものの......
ドイツへ行った当初、生活で何に戸惑ったかといえば、このゴミ出しでした。

ドイツのゴミ分別の細かさは有名ですが、
いい加減な私には、これに慣れるまで結構時間がかかったのです。
時々、間違えて分別してしまって善良なる(!?)お年寄りに怒られたりもしました。。。
正直なところ、私にとってゴミ分別とは、
’他国で生活する者のマナーとして覚えなければならない習慣’という程度の低い意識だったのです。
「ドイツの環境について考える」なんていう余裕はまだまだ無くて、
日々どうにかこうにか生活している....という有り様だったのです。

その問題のドイツのゴミ出しはどのようなシステムかというと。。。

ドイツ政府の方針としては
1)有害なゴミは分別して処理する。
2)再利用できるものはリサイクル
3)なによりゴミを出さない



ゴミ分別は大きく分けて、リサイクル出来るものそうで無いものとに分かれます。

●リサイクルできる物としては、

包装用容器→ 材料でグリューネプンクトと呼ばれるリサイクルマークの付いている容器

●プラスティックゴミ;
ヨーグルトの容器、お菓子の包み紙、ポリ袋、ラップ、マヨネーズ、ケチャップ、歯磨きのチューブ、洗剤、調味料などの容器。
●複合素材;
牛乳パック、ジュースの紙パック、ソーセージやチーズの真空パック、アルミ缶、スチール缶、アルミホイル、アルミトレイ。

古ガラス→ デポジットでない使い捨てのガラス瓶、ガラス容器。
これらを色別(透明、緑、茶)に分別する。

古紙→ ダンボール、新聞紙、包み紙、雑誌、ノート、カタログ、広告、封筒など。

古着→ 下着、寝具類、靴など。
これらは災害援助用(赤十字)、途上国援助用、といった用途に再利用される。

有機ゴミ→ 火を通していない野菜クズ、芝生、プランターの土、卵の殻、コーヒー滓とフィルター、落ち葉、小枝など。


この他、ワインのコルクもリサイクルされます。この辺はワイン好きのドイツ人らしいところ。


リサイクルできないゴミとして、
1) 台所の残飯(地方によっては回収)、陶器のかけら、紙おむつ、電球、汚れた紙、小型電化製品、その他、どこにも属さないゴミ。

2) 粗大ゴミ。
大型家具(地方によっては木材をリサイクルしている)絨毯、大型電化製品(分解、分離して分別処理をしつつある)。

3) 危険ゴミ。
薬品、車のバッテリー、塗料、ハロゲン電球、蛍光灯。

4) 電池。→バッテリー用コンテナへ

5) 薬剤。→薬局へ持参する


以上が大まかに分けたものです。

リサイクルできる物は、町中に設置されたゴミコンテナに入れるか、リサイクリングホフと呼ばれるゴミ集積所に出しに行きます。
また、粗大ゴミは事前に電話か手紙で回収を申し込みます。
(※上記は各市によって分別の仕方が多少、異なります)



従って、集合住宅に設置されたゴミコンテナ(リサイクルされないゴミ)に入れるゴミは少量となるわけです。
しかし、キッチンには幾つものゴミ箱を用意しなければならないし、
あちらこちらにゴミを捨てにいくので、手間ひまかかります。
それでも
日本で買い物をした時に出るゴミの量よりは、はるかに少ないのです。

何故なら、買い物する時点でゴミを出さないようにする努力がされていて、
買い物袋は持参、野菜、果物は量り売り、加工品も簡易包装。
卵は自分で紙パック持参で買う
...などなど。

これらの習慣は、慣れてしまえばどうという事はありません。
むしろ、過剰に包装された物に抵抗を感じるようになりました。

しかし、日本では過去にお菓子に毒物を混入させる事件がありましたから、
食品の包装の簡素化には抵抗のある人も少なくないかもしれません。
このように、ドイツで良いと思われていることも、
日本では生活習慣や社会環境が異なる訳ですから、全てを受け入れるべきでもないのだと思います。



当初、私が「環境問題について考える余裕がなかった」と書きましたが、
その理由はもう一つありました。
環境問題とは多岐に渡るもので、とても難しいものと捉えていたからです。

ゴミ、リサイクルはその中の1分野にすぎず(この問題だけでも奥が深いと思われる)、
BSE(狂牛病)のように食を取り巻く環境であるとか、
もっと他にも世界的レベルで取り組むべき問題が沢山あるからです。
記憶に新しいニュースとしては、ドイツの原発全面廃止というのもその1つになるかと思います。

その反面、注意深く見ていないと見逃してしまうような地道な取り組みとして、
自然環境や生態系の保全(Biotopなど、
普段、自分達が生活する中で、自然本来のあるべき姿を残そうとする取り組みもなされています。
ライン河沿いには、住民がその一画を借りて気軽に園芸を楽しめる場所(クライネガルテンもありました。
本当に一つ一つ挙げたらキリがなく、これらのいずれも奥が深いので、ここではこれ以上詳しく触れませんが、
いずれにしても、それらの根本は同じであると思っています。


ドイツでよく見かける、キレイ好きのドイツ人主婦が、ピカピカに磨きあげた窓辺にゼラニウムの花が飾られている風景。
金曜日の夕方、早めに帰宅するご主人が手入れした芝生の庭。
家庭の主婦や子供達で、季節事に飾り付けされる庭。
借りたクライネガルテンで、自分の育てた野菜や花々を眺めながら、大切な人達とお茶をするひととき、、、。
そんな時間を、彼等はとても大切に思っています。

またドイツ人主婦と一緒に料理をした時、彼女達が手を洗う時、ほんの少ししか蛇口をひねらなかったこと。
そして朝早くお邪魔しても、ピカピカに磨きあげられていたキッチン(あまり手の込んだ料理をしないせいでもありますが...)。
そんな日常の些細な事すら、自分とドイツ人の環境に対する意識の違いを感じました。

これは彼らの生活習慣、気質、文化の違いであり、
彼等には特別に意識したものではないのかもしれません。
たまに、
町中に設置されている古紙コンテナに放火する輩がいたり、自分の飼っている犬の糞を片付けないといった一部の人もいるので、
全てのドイツ人が環境に対して理解が深いかといえば、そうでもないかもしれません。
が、それでも他の国から比べればその意識は高いと思われます。

きっと、国による政治、教育が国民の環境意識を高めているのでしょう。



リスやうさぎが住み、今にも童話の主人公が現れそうな森の中を、
ドイツ人達と一緒に散歩するうちに、いつしかわたしも
自分の中にある環境への意識がほんの少し、変わっていったように思うのです。

わたしはドイツ人と全く同じ意識には到底達していませんし、
全く同じように生活しようとは思っていません。
それに、日本は環境技術に於いては世界一であると思っているので、
環境に関する全ての取り組みがドイツに劣っているとも思いません。

しかし、それらを差し引いたとしても、
個人レベルで見習いたいと思うことが沢山あるのも事実。

まぁ、私に出来ること等と言ったら、
茶碗を洗う時に洗剤を少なめにして余計な水を使わないようにするとか、
買い物袋持参でお買い物とか、生ゴミで堆肥を作ったりとか、、、
そんな程度なんですけどね。


帰国した今思う事は、
かつて他国で暮らす者のマナーとして覚えた習慣を、
今後は、
地球で暮らす者のマナーとして置き換えてみてみようということ...でしょうか。
果たしてどこまで出来る事やら、、、はなはだ怪しいのですが。



さて、このコーナーですが、
ドイツから直接の情報をお届け出来なくなってしまったのですが、
まだまだご紹介できなかった欧州よもやま話を、もう少し皆さんにおつき合い願えたら幸いに思います。
そんな訳でこのコーナー、もうしばらく存続してしまいますが(汗)、
今後とも宜しくお願いします♪

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